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専門医に教わる 高齢者の病気事情

糖尿病

高齢者にこそ必要な、正しい生活習慣病への理解とは

及川眞一 先生 

複十字病院 糖尿病・生活習慣病センター長、日本糖尿病学会 指導医・専門医、日本老年病学会 指導医

掲載紙:2014年10月1日 タウン通信 を基に一部改稿

及川眞一

自覚症状が出にくい糖尿病・高血圧・脂質異常症
体内の「酸化ストレス」が動脈硬化やがんの要因に

-生活習慣病とはどういうものですか。

日本人に多い生活習慣病は糖尿病(高血糖)・高血圧・脂質異常症の3つです。5~10年といった長期間、このような状態が続くと、心筋梗塞や脳梗塞など生命に関わる病気を起こす危険が高まります。糖尿病の場合は神経障害、網膜症、腎臓疾患などの合併症から失明や人工透析に至る恐れがあります。合併症の自覚症状が現れにくく、自覚症状が現れた段階では合併症が進行した状態であることが多くみられます。また、心筋梗塞や脳梗塞などの症状も突然出現して生命を脅かす可能性があることから『無言の殺し屋-サイレントキラー』などと表現されたりもします。

-なぜ、生活習慣病がそうした重篤な状態を引き起こすのでしょうか。

「酸化ストレス」とは…

糖尿病・高血圧・脂質異常症が体内に『酸化ストレス』(右記別項参照)を蓄積させることが原因と考えられます。酸化ストレスが動脈硬化を進行させ心筋梗塞、脳梗塞を引き起こしたり、がんの発症につながります。糖尿病は心筋梗塞、脳梗塞の発症リスクが糖尿病でない人に比べ2~3倍、認知症になるリスクも同様に1.5~2倍というデータがあります。また、最近の調査では肝臓がん、膵臓がんなどになりやすいという報告もあります。

-生活習慣病にどう対処すればいいですか。

結局は『食事と運動』という定番の話になるのですが、その前に大切なのは、自分の状態を知るということです。みなさんが受診されている健康診断は病気の早期発見・早期治療の目的だけでなく、将来の健康維持のために自分の状態を知り、血糖値や血圧、コレステロール値をコントロールしリスクを回避していこうという「1次予防」といった段階です。その手段として大切なことはメタボリックシンドロームへの取り組みです。メタボリックシンドロームは生活習慣病になる前の危うい状態と考えることができます。この段階で本人が自覚し『健康長寿』のために生活習慣(食事や運動)を改善して、生活習慣病を予防するということが可能な段階ということができます。

日本人は糖尿病や高血圧になりやすい体質
食事は3食全体、1週間での総量バランスに注意を

-日本人は糖尿病や高血圧になりやすいとのことですが。

糖尿病や脂質異常症は戦後の食生活とライフスタイルの変化が、高血圧は塩分摂取量の影響が大きいのでしょう。日本人は特に脂肪に弱い体質だと私は考えています。食生活の急激な変化による身体への影響について、戦後すぐにアメリカに移住した人と、同世代で日本で暮らした人を比較した調査報告で、移住してアメリカ人と同じ食生活をした人は糖尿病罹患率が約3~4倍でした。また現在の日本人の脂肪摂取量は終戦直後に比べ約3~4倍になっています。自動車の普及による運動不足などもありますが、急激な脂肪摂取量の増加が日本人の体質には負荷となって、糖尿病や脂質異常症が増えている要因ではないか、と考えています。

-具体的にどんな食事をすればよいのですか。

多くの人が毎食のバランスに神経質になっていますが、1日(3食)単位、1週間単位でバランスをとることがポイントです。お昼にたくさん食べたから夕飯は軽めにしようとか、昨日は天ぷらだったから今日はあっさりした食事にしようといった全体のバランスです。その中で重要なのは食事の“量”。栄養バランスがとれていても“食べ過ぎ”は禁物。
「ほどよい量で、バランス良く」を心がけることが大切です。これは病気のある・なしに関係なく健康な人でも、全ての人に共通することで、自分の適量を知ることが大切です。

-どのくらいの量がいいのですか。

BMI計算方法と基準

個人によって異なりますので、学んでいただくことになります。基本的には身長をベースにしたBMI(肥満指数)で自分の普通体重を知り(右記別表参照)、1日の運動量を考慮した必要な食事量が基準です。このときの基準をBMI22とし、この値から望ましい体重を算出します。(望ましい体重(標準体重)=22×身長(m)×身長(m)で算出されます)。これに必要な体重あたりのエネルギー量を掛けると、一日に必要な総エネルギー量が計算されます。つまり、標準体重×必要エネルギー量(25~30Kcal/標準体重Kg)で計算されます。高齢者は年齢で食事量を計ろうとしがちですが、年齢の要素は考慮せず上の計算式で求められる総エネルギーを参考にして、自分自身の過不足を考えてください。高齢だからといって食事量が不足することはマイナスです。正しい理解で、十分な量と栄養分を摂ることが大切です。
※右の表はBMIの指標からみた肥満の状態を示すものです。

生活習慣病と診断されても悲観せずに
正しく理解して病気とうまく付き合って健康長寿を

-生活習慣病と診断され悩んでいる方に、アドバイスをお願いします。

悲観することはまったくありません。健康長寿を望むなら、食事や運動を意識し対応しなければいけないのは、誰もが同じことなのです。
病気と診断されるとこれは食べちゃダメ、あれもダメ、と思いこんでしまいがちですがそんなことはありません。食べたいものを食べればよいのです。ただし“好きなだけ”食べてしまうのはよくない、ということです。繰り返しますが、これは生活習慣病でない人も同じです。日本の平均寿命は男女とも80歳を超えています。医療の進歩もありますが、戦後の食生活も長生きの要因である証です。高齢になっても豊かな暮らしを続けるために大切なことは、自分の身体の状態を把握し、自分に合った食事や運動で体重、血糖値、血圧、コレステロール値等をコントロールし、病気とうまく長く付き合っていくことです。糖尿病などの生活習慣病と診断されても上手に対応し普通に暮らしている人は大勢います。

-セミナーではどのようなお話をお聞かせいただけますか。

『酸化ストレス』とその原因となる糖尿病や脂質異常症を中心に、生活習慣全般についてお話します。食事や運動についてもなるべく具体的にお伝えしたいです。それと、笑うことの大切さ。なぜ笑うことが大切なのかはお越しいただいた方に、こっそりお話しましょう(笑)

掲載紙:2014年10月1日 タウン通信 を基に一部改稿

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