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これからの高齢者住宅をつむぐ経営者たち ~運営会社 トップインタビュー~これからの高齢者住宅をつむぐ経営者たち ~運営会社 トップインタビュー~

ALSOKグループの資源を活用しさらに広く、深く、進化した「ワンストップ介護サービス」に(株式会社ウイズネット 代表取締役社長 宮澤 裕一氏)

独居高齢者の見守りから
その先のニーズにもグループとして応えたい

なぜ警備会社が介護なのかとお感じになる方も多いと思います。元々金融機関や官庁、大企業の警備に高いシェアを持っていたALSOKが、一般家庭向けに廉価版のサービスを導入したのが2004年頃。それから爆発的に市場が拡大し、一人暮らしの高齢者というところまで裾野が広がりました。すると、それまでの防犯に加えて、見守りというニーズが大きくなってきました。高齢者の場合、健常であったとしても加齢とともに身体の状態が変化し、訪問介護、さらには施設入居を必要とされる方が多くなります。2012年には従来のホームセキュリティを進化させた生活全般にわたる安全・安心を守るセキュリティサービスである「HOME ALSOK」ブランドを立ち上げ、高齢者向けサービスを最重要領域と位置付けていましたが、さらに訪問介護や施設入居といったニーズに応えるサービスをワンストップで提供したいという思いで介護事業に参入することになりました。

2012年、グループではALSOKケア株式会社を設立し、居宅支援と訪問介護の事業所を立ち上げました。業界では後発になりますが、私たちにはお客様から直接学ばせていただいたニーズにお応えする使命がありましたから、M&Aに積極的に取り組むことでサービスを広げていくことにしました。

2014年に株式会社HCMがグループ入り、2015年にALSOKあんしんケアサポート株式会社(旧アズビルあんしんケアサポート株式会社)がグループ入りし、訪問介護や居宅支援のサービス展開を拡大しました。このたび、埼玉県を中心に東京、神奈川と拠点を展開しているウイズネットがグループに加わることで施設入居サービスに広がりが出て、グループ全体でより多くのニーズにお応えすることが可能となりました。

「ワンストップ」でサービスを提供する
地域の拠点をグループ全体で

ウイズネットにはもともと複合施設が多いのですが、特に西尾久、北新横浜はクリニックを併設する大規模な複合施設となっており、当社が目標として掲げてきた「ワンストップ介護サービス」を象徴するものです。デイサービスで慣れ親しんだ環境の中でニーズがあればショートステイをご利用いただくこともできますし、介護度が上がったときには特定施設、グループホームへの入居という選択肢まで広げていただくこともできるということはとても素晴らしいと思います。

ウイズネット複合施設西尾久 外観写真
〔ウイズネット複合施設西尾久 外観写真〕
介護付有料老人ホーム、グループホーム、ショートステイ、デイサービスに加え、クリニック(内科、整形外科)を併設している。

今後は、この強みをグループ全体にまで広げていきたい。地域ドミナントのできていない拠点は、その地域に強いグループ会社に拠点ごと移管するといったところまで含めて、グループ間の連携を進めています。

当社の運営する施設は、埼玉、東京、神奈川に120棟ほどありますが、今年5月の着任以来そのすべてを回りました。そこで感じたことは、無形のサービスを提供するという点で、警備と介護の仕事はとても似ているということでした。サービスをつくるのは人ですから、お客様が喜んでいただけるサービスを提供するには、現場のスタッフが働きやすい環境を作ることが大事。私自身が現場主任のような気持ちで、スタッフの声に耳を傾けないと真実が見えません。

人材面でもグループ化の効果が出始めています。ALSOKグループになったことで採用がしやすくなったという現場の声はよく聞きます。以前はご主人の転勤が離職理由になることも多かったのですが、グループの中であれば転勤先でもお仕事を続けていただくことが可能になってくるのではないかと思います。

ALSOKらしさの追求の先に
新たな「らしさ」が見えてくる

ウイズネットの「ワンストップの介護サービス」は、どんなニーズにも対応できるという反面、特徴がなくなるということと表裏一体です。そこで、もっとALSOKらしさを出していきたいと。ALSOKといえば健康的なイメージですから、元気で生活していただける、介護度が上がらない、転倒予防のお役に立てるといった健康面でのサポートを強化していきたいと考えました。

そこで、テレビコマーシャルでもおなじみの「ALSOK体操」を、高齢者向けにアレンジして「ALSOKあんしん体操」を作りました。介護予防研究を専門とする東京都健康長寿医療センター研究所の大渕修一博士監修のもと、ALSOK本社の企画部門とグループ各社の機能訓練スタッフ(理学療法士等)が中心となりプログラムを作成しました。おもしろいのは歌詞。宣伝っぽくせず、「振り込め詐欺に気をつけよう」、「火の用心」といった標語も盛り込んで、楽しんでいただけるものにしました。座位・立位、1人体操・2人体操、ボールを使ったものなど、介護度や利用シーンに合わせて、色々なバージョンを用意しています。

介護度が高い方向けには、シニアヨガを取り入れています。西尾久の施設でヨガ教室を開催しましたが、前半は椅子に座れる介護度の軽い方を対象に、後半は車椅子の方にも参加していただいており、重度の方でも体を動かして楽しんでいらっしゃいました。嬉しかったのは男性が参加してくださったこと。これなら、性別も介護度も関係なく楽しめると実感しました。現在、「ALSOKあんしん体操」の動きの一部を取り入れた、オリジナルヨガを考案中です。

〔ALSOKあんしん体操〕
2010~13年にかけてCM放映され好評を博した「ALSOK体操」を、シニアの健康増進に適したプログラムへとアレンジ。

警備で培ったノウハウを活かして
業界全体に貢献していきたい

もうひとつ、これからやりたいこと。介護の現場は、重労働で人手不足、ニーズはあっても担い手が足りない状態です。これは機械化が遅れていることも一因だと思います。ALSOKなど警備会社は、ICT技術の活用により成長し、今があります。私は昭和53年の新卒として入社しましたが、当時と今で社員の数はほとんど変わっていません。システムを使いこなすことで労働集約の問題を解決し効率化を追求してきました。非常に労働集約性が高い介護の世界にも、警備会社の経験で培った私たちのシステム運用のノウハウを応用できるのではないかと思います。介護の現場の負担を軽減し、より安全・安心なサービスを提供できたらと考えています。

しかし、問題はそれほど簡単ではありません。介護の世界には配置基準があります。機械化によって、いくら安全なサービスを投入しても配置基準を下回ることはできません。実証実験をして、これから安全で効率的だと認められ、基準を緩和してもいいというところまで持っていければいいですね。それができなければ業界全体が苦労しますから。その成果は業界全体で分かち合えればいい。それが私の夢ですね。

これまではウイズネットの中だけで作りあげてきた「ワンストップ介護サービス」を、今後はホームセキュリティ、居宅支援、訪問介護から、施設入居まで、ALSOKグループ内の資源を活用した総合的サービスに広げていくこと、その中でALSOKらしさを追求していくこと、そして警備会社で蓄積したICT技術の活用により少ない人員でもよりよいサービスを可能にしていくこと。これから私たちが目指すべき方向性はこの3つに集約されるのではないかと思います。

掲載日:2016/10/24